気を興す.

一度飲んでみて首を傾げたはずの、ウーロンチャイ、という飲み物を再び手に取り、手に取る事はあるまい、としていた『Land Land Land―旅するA to Z (ちくま文庫)』を、ソファに埋まって読みふける。書を捨てて町に出なくてはならない気分を興した。

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生じてくる気持ちに、本当かな本当かな、と気持ちの在り処をいちいち親指で押して確かめる。肌の表面がぴりぴり、もしくは、骨の辺りがじくじくとする、得体の知れぬ感覚で支配され、痛いのか気持ちが良いのか分からなくなってしまう時が、一番怖い。
こういう事がしたい、こういう関係でいたい、という具体的な思いがあるうちに、拗ねるのを止めてひとに歩み寄る。
猫は家出から帰って来ました。明日は三時半に、中央口で宜しくお願いします。