大河幻想.

先立つ理性に感情がついていかない。
理性で以って、その時出来うる限りの正確な判断をするも、その判断結果に後々感情が納得してくれないのだ。感情がオーバーフローして、理性の冷静さ、冷徹さを責めたてる。けれども事態は覆されない。もうどうにもならないのだよ、と理性は感情をなだめすかす。
強さと弱さは一対(いっつい)であるに違いない。

              • -

車中から、大きく穏やかな川が見える。この大きな川に飛び込んだとしても、自分如きなら、水面にほんの少し波紋が広がり、小さな音がした後は、何事もなかったかの様にこの先も流れていくのだろう。古池に飛び込む青蛙一匹を想った。・・・その青蛙はその晩、出会いに沸き美酒で溺死した。