どうすれば、そうすれば.

ひとりで何かしたりどこかへ行く事が、以前は楽しくちっとも寂しくなかったのに、そうしているうち、寂しい人だねお前は、という声が何処からか聞こえ出してから、ひとりが寂しく感じられるようになってしまった。寂しくなんか、ない、と跳ね返す事を、今までどうして出来ていたのだろう。そして、今はどうして出来ないのだろう。人生の楽しみを失った様な気持ちだ。
それともこれは、今は誰かと居て誰かに何か貰いなさい、という思し召しなのだろうか。
どうして、どうして。
分からないのでどんどん、誰かに会いに、歩みを進める。けれども、誰かに必ず会えるとは限らない。会えなくとも進み続けなければ、誰にも会えない。
私はひとりでここに立っている。隣の部屋には誰か居るけれども。
どうして、どうして。
私は立っていられる程強くて、歩まなければならない程弱い。

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或る好々爺にいただいたデジタルのコンパクトカメラ二台を、そろそろ起動させねば、と思っているうちに、雨がやってきた。本格的にカメラも趣味にしようかと思うんです、と彼に話すと、それじゃフィルムカメラを教えてあげるから是非、とおっしゃる。上手くなったらカメラをプレゼントするよ、との事、翁は趣味仲間兼話相手を求めている様子、これは急いで勉強せねばならない。