美味い魚にも骨はある.

uopus2009-05-17

に箸を入れて、美しく身をほぐすのには自信があった。しかしながらその美しさは、多少骨の取り残しがあっても、飲み込むのに脅威を感じなければ口に運んでしまう大雑把さがあった故の結果なのである。必要な手を加えた後は、時折ぽりぽりと云わせながら、骨から外した身の部分をきれいにさらう。
本日の晩御飯は眼張メバル)の塩焼きだった。淡白ながら、身はぷりぷりとしていて(ただし焼き過ぎに注意すべし)、塩気に誤魔化されない旨味があり、箸が進む。見るからに鋭い背びれ腹びれを注意すれば、後は何のこともなくすべて片付くだろう、と矢継ぎ早に身を口に放り込んでいたところ、最後の最後にぐさりと来た。魚の皮は香ばしくて好きなので、ついついひれを見逃してしまったのだろうか。兎に角、その後何を食べてもいちいち、喉の奥に鈍痛、時にはそれどころでない痛みが上半身を走る。ご飯の塊、味噌汁、水、ゼリー、考えつくものをすべて丸呑みしてみたが、その甲斐なく痛みは全く消えない。
このところの早食い癖を咎められた気分である。食べ物にあまり興味がない時、つまりはちょっとした憂鬱を抱えている時等は、ついつい早食いになって、食べる欲だけを満たそうとする。
眼張のあの大きな瞳が、鈍痛を覚える度に頭を過ぎる。しばらく頭のついたままの魚にはお目に掛かりたくない。
不快なので一刻も早く耳鼻咽喉科へ行きたいものだけれど、恥ずかしくて行く気が起こらない。

          • -

昨日テレビ放映された、映画「ダヴィンチ・コード」の中の、アールグレイにはレモン、という科白に「引っかかり」を抱いている。
調べると、日本人の多くは、アールグレイティーはミルクかストレートで仕立てるのが好みだとか。個人的には、ベルガモットとミルクの組み合わせを好かないので、ストレートで飲むことにしている。成る程、ミルクよりもレモンの方が、柑橘類同士のあり得る組み合わせだとさえ思うが、一般的にはどうなのだろうか。
仲良くしたい人と嗜好が一緒だと何となく嬉しい、という人間臭い感情は、時折自分の嗜好を歪ませるので面倒臭い。どこまでが本当に自分で、どこからが実は他人なのか、もはや分からない。