パスカル氏からの手紙.

日神にすがってみたくなり、由緒正しい神社でおみくじを引いた。そのくじ(大吉)に記載されていた神託が、何とかの命(みこと)のものではなく、パスカルの言葉であった旨などを、数十分に渡って記述していたところ、アクシデントに見舞われ途中で原稿が失われた。
よくあることよ、と思い直して記述を再開しようとしたが、ひょっとして神の怒りにふれたのか、という気がしないでもないで、この話題を放棄する。かしこみかしこみ。なむなむ。

        • -

プレイス・トゥ・ビー(初回限定盤)(DVD付)
 多分30歳のジャズピアニスト、上原ひろみ女史の最新アルバムを購入す。今回はピアノソロで、ベースもドラムも入っていないので、作りたての鰹だしスープ(具なし)の様な印象である。醤油も何もまだ足されていず、物凄くよく香り黄金色に澄んでいる。鰹一番だし(女史そのもの)と湯(ピアノ)のみ存在している感じで、飲み易い(聴き易い)という評価では何か形容し足りない、不思議な音源だ。テクニックには圧倒されるけれど、始終興奮がある訳でもなく、どことなく静かなのだ。「ブレイン」という2枚目のアルバムに収録されている、Green Tea Farm という曲に彼女自身が詞をつけたものを、ボーナストラックで矢野顕子女史が歌っている点でも、とても美味しい。
鍵盤がぎっしり描かれた格好良い靴を履いてらっしゃる。靴デザイナーである旦那さんのお手製だろうか。
 ラスベガスをテーマにした組曲の中の3曲目、ルーレットかスロットが回って、ハズレたり当たったりする場面が、個人的には楽しくて大好き。

      • -

 パスカルより、人は異常な努力よりも、日々の行為により評価され得るものである、とのお言葉をいただいた。才能のないことをひがみ散らしては、余裕を失くす程意地になって努力してしまうものだ。が、冷静になってみれば、その行為は自分にとってとても不自然であることに気づく。それでもその捻じ曲がった根性で突き進むことが時に必要なのかもしれない、と信じるかどうかはまだ考え中である。
 しかしながら、大哲学者が、日々を大事にせよ、と云うのだから多分、本来の自分をよく理解し日々過ごすことが、一番真っ直ぐな人生の歩み方なのだろう。
 人生よ、そしてパスカル先輩よ、私はまだまだ反抗期です。