酒精の残留の所為.

気がついたら、午前十時半を過ぎたところ、という状況と自分の居場所を再確認した後、慌てふためいてその場所を出る。朝帰り、というより時間的に昼帰り後、同輩に心からの謝罪のメールを入れておく。
途轍もなく変なテンションで、なぜか母を映画に誘い、午後から近くの映画館で「ハウルの動く城」を観る。何となく母とは感想を交わす事無く、今に至る。しかし実際訊いてみなくとも、母が口にしそうな事柄は検討がつく。恋愛や近頃風靡している純愛についての話題はとんと出ない辺り、恋愛に興味が無いというよりは、照れくさいのだろう。加えて、器量の良い男性には敏感な為、恐らくハウルの事は気に入っている様子だ。…という訳で、あえて突っ込まない事にした。
個人的な感想としては、2時間数分、という時間では収まりきらない世界が広がっていた。もっともっとその世界を眺めまわる事が出来たら、と思うくらい、盛り沢山で充実した内容だった様に感じている。恐らく面白いであろう原作の世界プラス、いつもの様に監督自ら、自分の映画に込めたいトピックやメッセージ性が、溢れ出ていた。登場人物の科白は、面食らう程に「直球」(直接的)だが、無駄な装飾の無い言葉程、重みと深い意味を持つ、という事は、わざわざ私が豪語するまでも無く、一般論だと思うが。
しかし、そんな素直に言葉を吐けないのが、自分なのだが。あーあ。
「美しくなければ、意味が無いじゃないか」とかなんとか云う、ハウルの言葉が、自分の中の鬱な部分に突き刺さった。
……何がともあれ、もう一度観に行きたくなった。今度は一人で(泣いても良いように)、空いた映画館で観てみたい。 清とした空間に、身を置きたい。

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この日結局課題は仕上がらず。演奏会の楽譜を書いて終わる。何しているのだか。

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ハウルの声…声の質はさすがにあの某著名人、人物つくりもさすがに慣れておられるのか、そこそこ良かった。が、やはり少し「薄っぺらい」様には感じた。

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前日の晩酌前には上昇気味の精神状態が、その夜が明けついでに明るい結末の映画を観た後、見事に降下していった。困った人。