「気がつくと僕は」.

PC作業の時卓上ラヂオがあれば、孤独感から少しは解放されるかしらん、と思い、LEXONのゴム製防滴ラヂオを見に出掛けたが、欲しい色が無かったので諦め(一生側に置く事を考えると、蛍光色は扱い難い)、world end's girlfriend(なんと魅力的な名前)のアルバム「The Lie Lay Land」を買う。発売当初から気になっていたが、いつかいつか、と云っているうちに忘れていたのだった。嘘だと云って欲しい位の報われなさがある。美を反転させて真っ白く、或いは真っ黒く、真っ青、真っ赤にした様な音の流れが聞こえる。揺れて縄の鳴る音は、ブランコか、首吊り死体か。男の子と女の子の奇声は、喜びの声か、恐怖の悲鳴か。犬が吠えている。

                        • -

実は男性に来て欲しい、というマスターのインタヴュー記事を見かけてから御無沙汰していた、絵本カフェに行く。他に行くところがなかったから仕方なく、ですよ、という顔をして入る。灰皿はお使いですか、と訊かれ、随分来てなかったのだと実感する。
前は無かったパスタを食べながら(美味しいベーコンは幸せである)宙で行ったり来たりしているモビールの影を見つめる。輪が大きくなったり小さくなったり、薄くなって何処かへ行ってしまったり、何となく落ち着かない。
コーヒーを飲み終わり、モビールの影の下に映っているポトスの影を手帖に描く。蔓が長く、又葉の形もまちまちで、描いていてなかなか楽しい。影にも色がある事を発見して、素晴しい画を描いた画家の事を想った。
カップとソーサーの画は、失敗した。が消すのも勿体無いので、軽く消しゴムで暈して放っておく。