好事家の宴.

子猫一匹、いつも愛想の良い成猫一匹に、声をかけられ、朝から有頂天になる。野良猫のくせにもくもくした脚をしているが、健康そうだから良い。成猫の方が好きだ、という自覚を持ってきたが、見つめられると子猫にも勝てない。

                    • -

回数券二枚と、小銭用蝦蟇口に28円で、三府県先まで行く、という無茶をした。しかも、朝食後から一切何も口にせずに(出来ずに)夕飯時に帰宅する、という絶食行為付きで、結構な距離を歩いた。案外無事でいる事が出来て、帰宅後は食卓に直行した。
大学の部活で知り合ったひと人が何人か出演する演奏会に行く。あまりに知り合いが多過ぎて、仲間外れにされている様な、適当な距離を取りたいが為混じりたくはない様な、という複雑な心境の裏で、耳は冷静だった。あまり冷静になり過ぎると、音を分析的に聴いてしまって楽しみが薄くなる、というのが、近頃の悩みである。何だかんだ、皆続けているのね。
気に入りの古書店に寄ろうかと計画はしていたが、いくら何でも28円で長居するのは、あの狭い店にとっては迷惑だろうから、抑える。人気のある店、と云えど、外装や本棚はそう飾り立てられていない無骨さが良い。