どうすれば、そうすれば.

ひとりで何かしたりどこかへ行く事が、以前は楽しくちっとも寂しくなかったのに、そうしているうち、寂しい人だねお前は、という声が何処からか聞こえ出してから、ひとりが寂しく感じられるようになってしまった。寂しくなんか、ない、と跳ね返す事を、今ま…

各々の.

最近の気晴らしは専ら『もやしもん(1) (イブニングKC)』で、心の底から随時湧き出る感情論に深入りする事なく、現実に癒されて過ごしている様な気になっている。風呂場タイルの目地にくっついている、黒くてしつこいもの(黴である)が、こんな可愛い奴だっ…

マドレーヌの様に泣きたい.

さめざめと泣きたい(pleurer comme une madeleine)。さめざめと泣く為の時間と空間が欲しい。 扉を開けたら、四畳半程の森が広がっていて、小椅子が一脚だけ、ぽつん、と置いてある「泣き部屋」があったら好いのに。(理想は「天空の城ラピュタ」の、建物の…

かってにしやがれ.

疲れている時に吐く「こころの口癖」がある。少し恥ずかしい。 音楽と男性は似ている。 追えば追う程に逃げていく。 そして私はどちらの才能もない。 近づき方がまずいのだ、という事位、安易に想像がつく。だからこそ悔しくて、ついつい愚痴を吐いてしまう…

悪夢日和.

あれよあれよという間に時既に皐月、飛び石連休も気づけば終わっていた。 連休最後の日については、特別予定を入れずにおり、読書と楽器の練習が出来ればそれで良い、と前夜、布団の中で考えていた。 いざ目覚めようとする直前に、溜まりに溜まっていたらし…

アントン小父さん.

ブルックナーが好きだ、と云えば、えらく驚かれる事が多いが(何処が良いのかと批判されても、好きなものは好きなので、そんな批判はどうでも良く全く気にしない)、えらく驚いた上にえらく熱く語り、ついでにCDまでくれる人は、うちの師匠くらいのものだ…

コーヒー色の風に捧げる.

インスタント・コーヒーよりはましな味のコーヒーが手に入ったので(如何にインスタント・コーヒーが「薄味」であるかが分かる位の)、朝布団の中にいる時から猛烈に求めていたドーナツを買いに出掛けた。「ドーナツ欲」を動力源とする自転車は、速い。たと…

あ・うん.

学生時代はよく来たが、働くようになってからは足が遠のいていたカフェに来ている。 その地には、約半年毎に行く機会がああるので、年に必ず2回はそのカフェに寄る。期間を空けていくものだから、コーヒーを、と云うと当たり前だがミルクが付いて来る。週に…

たそがれる才能.

地球の隅の隅で、何も大した事はしていないのに、何故これ程疲労を感じているのかしらん。高層ビルにも夕陽が落ちる。ここ数日雨か雪ばかりだったので、快晴の夕べは久しぶりだった。 起きて働き眠る、という生活の中で、以前はあった余裕が近頃なくなってい…

もう無いもの.

満たされている時にはそれ程意識的に観察しないくせに、残り少なくなった時やすっかり無くなった時に、残った泡や痕跡を見つめながら、そこに「昔」在ったものを強く想う。 例えば、目の前のカップにへばりついているコーヒーの泡の帯、である。棺桶の中の亡…

090 or 080.

Enchanted Landscape Escapeアーティスト: world's end girlfriend出版社/メーカー: Human Highway Records発売日: 2007/11/09メディア: CD購入: 6人 クリック: 20回この商品を含むブログ (15件) を見るこの音楽の指先が、腫れた瞼をあたたかく冷やしてくれ…

物知りナルシスト君.

自分の事がこれっぽっちも分からなくなったので、一冊丸ごと心理テストと占い、という女性雑誌にまずは訊いてみよう、と手に入れ、設問に答えていると、気がつけば午前二時になっていた。 気だるい設問に気だるい解答の他に、箱庭を描くテストがあり、ものの…

夢のいろいろ.

今年の初夢は、見積書や請求書が目の前で待っている夢で、まあ今年もそんなものだろう、という事で諦めた。お金と生業は必要である。 次に見た夢といえば、これもやはり何度か見る夢で、大勢の前で、さあ今から弾きます、と云って楽譜を見てみれば初めて見る…

my favorite things.

アンティークリネンのワンピースが運良く、相場からすれば多少安価で手に入ったので(それにしたって高価である)、早速着て眠る。意外に暖かで、しかもまん丸になって眠っても翌朝皺になり難い様子で素晴らしい。しかし、中途半端な位置から入ったスリット…

終わりと始まり.

物思いに終止符を打とうと、例の赤い観覧車に乗った。物思いが過ぎて万が一泪が出たとしても、誰にも迷惑をかけずに済む場所は、自室と御手洗等の個室の他はここしか、その時思いつかなかった。 スーベニアの意味合いや雰囲気、以前の強烈な「恋慕」(勿論観…

終わりの予感.

年の始めにはあんなにたっぷりとしていた手帖が、いつの間にかもはや後ろの頁から開いた方が早い時期となり、薄っぺらで心なしかさみしげに見える様になった。最後のメモ頁に貼り付けておいた目標は、相変わらずばりりとした様子だが、過ぎにし日(過ぎにし…

水槽から見た赤い観覧車.

窓硝子に壁が映り込んで、鬱陶しい。整理の行き届いていない部屋で探し物を探すように、硝子に映る風景から赤い観覧車を探し出す。あまりに遠い。いつかの騒がしいバーで見た観覧車は未だ戻らない。 店の半分位が硝子で、よく磨かれたそれの外には商業的な明…

奇異 -虫について-.

会社の片隅に、いただきものの菊の鉢植えが三つ程置かれている。徐々に花が開き始め、香もフロアに広がって、秋の気配を振りまいている。 その鉢植えの一つに、近頃虫が湧いた。菊等癖のある植物を好んで食べる虫はあまりいない様に思えるので、恐らく輸送途…

もの語り.

離せない。 11/8 - 前の頁からの続きで、真新しい頁にそう綴ったのだが、切実に何かを語ろうとしている様に見受けられたので、印象に残った。

「失われた時を求めて」状の何か.

仕事の後少し時間を取る事が出来る様になり、時々足を運ぶカフェがある。そこで出されるコーヒーはなかなか美味なのだが、コーヒーの存在が霞む程にそこのほうじ茶が美味の為、近頃は決まってほうじ茶を注文している。 何度か例のほうじ茶をいただいているう…

四季の隙間に.

身辺が一段落して、やっと読書が出来る様になった。それでも、読書の秋、という節を口にするには抵抗がある。この、生温い気候は一体何なのだろうか。秋でもなく、冬でもなく、夏でもない。穴の様な季節で、書物にしてもセンチメンタルな物語とは遠いジャン…

ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん.

ふと顔を上げると、窓の外に宇宙が広がっていた。 - ひとに二時間半も待たされるのは、これで二回目である。 待っていることは嫌いぢゃない、 という或る小説に出てくる科白を思い出すが、私は待っていることははっきりと嫌いである。一刻も早く何らかの行動…

dream a dream.

美しい硝子に出会った途端、それが床で砕けてしまう白昼夢を見る。美しいまでに鋭利な刃を見ると、赤々とした血の幻想を見る。床の上にこぼれ落ちた血を水で流す時の様に、幻想は一瞬抵抗をしてみたのち、ざらりと視界から去ってゆく。 - 気に入りの店の一つ…

蜘蛛おんな.

狭い部屋で蝋燭に火を灯すと、鼻の奥の粘膜に突っ張りを感じる。そのうちに息苦しさまで感じる様になったので、窓を開けて酸素を取り込む。空気の張り詰め様が急速に増す時期にあり、気持ちも年末に向けて急き立てられる。 キャンドルホルダー代わりのカップ…

fall.

「枯葉」を何度か耳にする様になり、季節はやっと移り変わる様子を見せ始めた。「枯葉」の歌い手はイヴ・モンタンでない事が多く、大抵は煙たくほろ苦いジャズ・ヴァージョンか、ビル・エヴァンズの創作的なヴァージョンである。 - 仕事を終えてビルのホール…

エゴ対エゴ.

身に添う服が好きで、たぽっとした形状の服はまず選ばない。そういう類の服を扱う店も、しれっと通過する。どこでも良いから自分に寄り添っていてくれないと、服に見放された気になる。これが良い、と思いたいし、貴女が良い、と思って貰いたい。 - 秋服、と…

夢と魔法のワンダーランドと現実、に君.

昨日今日と続け様に、雨に降られている。 折り畳み傘の一本位鞄に入れておくべきだ、と振られた一日目で学習するはずのところを、馬鹿馬鹿しくもそうせずに、翌日も強かに濡れて帰宅した。今日は同行人がいたので、前日とは違いビニイル傘を買わずに済んだ。…

私の息子について.

会社から申し渡された資格試験の勉強と、担当業務(PCをかたかた云わせるか、何通もの巨額の請求書を書くか、男性と会話をつなぐか)で配当された体力を一日一日と消費していく事に、勿体無さを感じる。が、そういう日々に暫く身を置く事に決めたのは自分だ…

興奮はそらに.

夏の写真集2. - 社長に、阪神戦のチケットをいただいたので、観戦に行く。 芝生と土の色と、電線のないそら、肩をひしめき合いながらアルプス席で飲むビールの味の美しさに感動した。応援歌を歌う事の出来ないさびしさは一入で、勉強してから来るべきだった…

pour D.

D、に違いない、という考えが、突然頭の上から降ってきた。 自分にとって、何となく居心地が良い、と感じるアルファベットは"D"だ、と断定するに至ったものの、だからと云って、その自覚で人生が変わるものでもなさそうである。 好きな外国人の名前はDanie…